氷上の軌跡 -#25 小形諒人-

皆さんこんにちは。今回の氷上の軌跡を担当する経済学部4年の小形諒人です。

私は昨年末に行われたインカレをもって17年間の競技人生にピリオドを打ちました。しかし、引退した実感は全くなく、もう次の大会に向けて体の準備をしなくて良いと思うと不思議な気持ちになります。
そう思うほど私の人生はアイスホッケー中心だったんだなと思います。まずは、そんな私の競技人生を振り返ってみようと思います。また、振り返る上で、これが最後のブログであり、多くの人に自分の考えや気持ちを発信する最後の機会なので、当時のことを正直に書き、自分の気持ちを整理することで、引退した実感を得る、そんなブログにしたいと思います。

私がアイスホッケーを始めたのは幼稚園年少の時でした。父や2つ上の兄がやっていたことが理由だと思いますが、あまりよく覚えていません。気づいたら始めていました。その後、小学生になり、「レッドスターズ」という地元苫小牧市にある同好会チームに入りました。
そこで親友であり、高校まで一緒のチームでやることになる塚本純平(法政大学 #6)と出会いました。彼がいたからホッケーを辞めずに続けることができました。というのも、小学校の6年間はホッケーが好きでやっていたというよりも、なんとなくやっていた感じでした。練習は辛く、放課後16時半からの氷上練習や陸上トレーニングがあった為、学校の友達と遊ぶ機会は少なかったです。
当時はホッケーよりも友達とサッカーしたり、カードゲームしたりして遊んでいたいなぁと思っていました。試合前に友達とギリギリまで遊んで帰宅が遅くなり、父に大激怒されたことは今でも覚えています。

そんな私がホッケーを辞めなかったのは、大袈裟かもしれませんが、純平がいたからです。冬になると、外リンクで鼻水が凍ったり、髪の毛がカチカチになりながらも、夜遅くまで2人きりのミニゲームをして遊んだことはいい思い出です。こうして、ホッケーが好きじゃないながらも練習はしっかりとやっていたので、自分で言うのもなんですが、私は市内で上手な方の選手でした。
そして、中学生になりました。ここで最初の挫折を経験します。周りの人がどんどん上達していき、実力的に抜かされていきました。それから私は練習で、「ミスして周りに迷惑かけたらどうしよう」といったことを常に考え、ホッケーをしている時間が苦痛でした。早く練習が終わって欲しい、そう思うようになりました。そんなんで上達する訳がありません。辞めたいとずっと思っていましたが、純平もいるし、親に辞めたいと言い出せなかったこともあり、イヤイヤ続けていました。今思えば親不孝なやつです。
そして、中学3年時に行われた全国大会で苫小牧選抜に選ばれはしましたが、大事な試合でほとんど使われずに終わりました。

そんな中、高校進学はどうするかとなった時、勉強は多少できる方だったので、兄の背中を追いかけるように兄のいる苫小牧東高校を選びました。
高校です。ここでの3年間は本当に楽しく、充実していました。同期に恵まれ、共に努力し本気で向き合う事ができる最高の仲間と出会うことができました。
そして、大きな出来事として、1年生の頃から試合で使っていただいた事があります。この事が中学時代に失ったホッケーの自信を取り戻させてくれました。田中正靖元監督には本当に感謝しています。信頼して試合で使ってもらい出場すると、試合に勝つととても嬉しいし、負ければとても悔しいです。

当たり前かと思われますが、そのような感情が私の中学時代には無いものでした。勝った嬉しさ、負けた悔しさ、信頼してくれる監督、そして最高の同期、いろんな要素が組み合わさる事で、私は気づいたらアイスホッケーが大好きになっていました。それからは、毎朝にシュート練習や夜遅くまでウエイトトレーニングに励むようになりました。自主練する習慣はこの時についたと思います。
試合では強豪校の壁は高く、勝てない日々が続きました。そんな日々の中で私はこう思うようになりました。「今の自分が強豪校に入ったら通用するのか」と。

そんな事を思っているうちに大学進学を考える時期になり、当初の私は兄が通っている大学に行く予定でした。本心では中央大学に行きたいと思っていましたが、実力が伴っていないことは自分が1番わかっていたこともあり、中央大学に行きたいとは誰にも言えませんでした。
しかし、最後のカテゴリーである大学では自分の実力を試したい。このまま挑戦せずに後悔するよりも、挑戦してみて後悔する方がいいと考えるようになりました。
そして、高校3年の9月というほとんど進路が決まっている段階にもかかわらず、当初行く予定だった大学にお断りの連絡をさせてもらい、中央大学に指定校推薦で行くことができました。当時はいろんな方にご迷惑をお掛けしたと思います。申し訳ございません。そして、話をつけてくれた高校の監督にはこの場面でも感謝しています。

そして、大学です。この4年間は楽しいことよりも辛いことの方が何倍も多く、本当にきつかったです。予想していた通り、私と先輩方との格の差は歴然としてありました。また、同期の中でも私が1番下手くそでした。分かってはいたものの、実際の実力差を目の当たりにすると、この先の大学生活がとても不安になりました。

そして案の定、私は入学してから2年間、全く試合に出ることはできませんでした。人生最大の挫折でした。本当に何度も心が折れ、何度も辞めようと本気で思っていました。
それでも完全に努力を辞めたことは無かったと自負しています。自分で決めたことは最後までやり遂げたいといった責任感や周りに負けたくないといった競争心がそうさせていたと思いますが、1番大きな要因は、周りの人の支えでした。石毛さん(2020年度卒)、一海さん(2023年度卒)、翔さん(同上)、権平さん(同上、横浜グリッツ#26)、をはじめとする多くの先輩方が私を気にかけて下さり、背中で努力する姿勢を見せてくれました。日常生活でもたくさんお世話になり、一緒にいる時間がとても楽しかったです。本当にありがとうございました。

そして、何よりも両親の存在です。特に母は私が試合に出ていなくても中央大学を応援してくれ、嬉しい反面、とても申し訳なかったです。そんな申し訳なさから、母に私が試合に出ている姿を見せたいと強く思いました。

その後の2年間はコンスタントに試合に出る事ができましたが、本当に運が良かったと思っています。でも、運を味方につけるには日ごろの地味な努力が必要だったと今になって思います。努力の結果として、頑張れば下手くそでも強豪校出身じゃなくても中央大学でやっていける事を証明できたと思います。
また、4年時には副将を任され、秋リーグではチームのポイントランキング3位といった結果を残せたことは素直に嬉しかったですし、腐らず頑張って良かったと心から思っています。最後の大会であるインカレでは満足のいく結果を得ることはできませんでした。

この点だけ見れば、後悔の残るアイスホッケー人生と言えるかもしれません。実際、インカレが終わってからつい先程まで私はそう思ってしました。しかし、大学4年間、もっと広くみれば17年という人生の大半を1つのスポーツにかけ、必死に走り続けてきた私のアイスホッケー人生は最後の結果にとらわれないほど、充実しており、やり切ったと言えるものだとこのブログを書きながら思うようになりました。

最後にお世話になった人たちへのメッセージで締めたいと思います。

まずは両親へ。
まずは、22年間育ててくれてありがとうございました。ホッケーを始めたことで、身体的負担や経済的な負担を多くかけたと思います。色々やりたいことはありながらも我慢して、自分たちの時間を犠牲にしてまでホッケーを続けさせてくれて本当にありがとう。これからは自分の時間を自分の為に使ってほしいです。そして、来年からは今までよりかは近い距離にいると思うのでいつでも頼ってね。これからはいっぱい稼いでたくさん親孝行していきます。お楽しみに。

部屋のみんなへ。
#30 晶瑛は今色々思うところがあると思います。でもそれはしょうえいがホッケーが好きで真面目に向き合っているからだと俺は思う。だから最後の年はその好きな気持ちを忘れずに楽しんでやっていれば自ずと結果は出てくると思うよ。最後までめげずに頑張って!
 
#13 愁馬は高校からの付き合いだね。試合に出られなくてもベンチからいつも声を出してチームを盛り上げようとする姿にいつも感心していました。そんな強い気持ちを持ったしゅうまが活躍している姿を見ると自分の事のように嬉しかったよ。来年も厳しい競争があると思うけど、愁馬なら大丈夫。頑張って。
 
#56 渡硫はなんも心配していません。心配なのは君の底なしの胃袋だけです。話を戻して、努力家の渡硫はいつか大きな成果を残すと思っています。方向性を間違えず、常にフィードバックしながらこれからも今まで通り頑張って。
 
そして、普段おれが早寝早起きのせいで、皆にはいろんな迷惑をかけ、沢山気を使わせてしまったと思います。それでも慕ってくれて本当にありがとう。来年は三人の活躍を一番期待しています。
追記:#33 温大へ。2年間ありがとう。最後に最弱王決定戦をやりましょう。
 
同期のみんなへ。
指定校推薦で入った俺を何も言わず素直に受け入れてくれたこと、本当に嬉しかったよ。ホッケーがうまくて、優しくて、面白い、こんな人たちは他の大学にはいないと思います。みんなが同期で本当に良かった。4年間本当にありがとう。
 
 
これからの社会人生活では今まで多くの人に支えてもらった分、社会への恩返しだと思って精一杯働いていきます。
 
 
以上で私の「氷上の軌跡」を終わりたいと思います。
長々と失礼しました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
そして、これからも中央大学の応援よろしくお願いします。
#25 小形 諒人

中央大学スケート部アイスホッケー部門

中央大学スケート部 アイスホッケー部門